こんにちは。中野区　新井薬師前駅徒歩4分　中野通り沿いにある歯医者さん、コン　デンタルクリニックの院長　今　悟です。

お子様の歯並びが気になるというお母様の問い合わせをよくいただきます。

歯並びが気になりだす年齢で一番多いのが下の前歯の生え変わりの時期です。年齢的には個人差はありますが6歳前後の頃です。その時に前歯が重なって生えてきたり、変なところから出てきたりすると今後どうなっていくのかなと心配になりますよね。

実はその心配だと思った時が一番歯科医院に相談するのに適した時期なのです。そこに気づいてあげられたお母さんは素晴らしいと思います。というのも一番最初に生えてくる永久歯は下の前歯です。そこがずれていると後から生えてくる永久歯は乳歯よりも大きい歯なので歯並びの重なりがより大きくなることが予想されます。

現在、萌出してきた歯が重なって生えてきたというお子さんは10人中4人の割合でいるといわれています。わりと多く感じませんか？

また、上下の顎が反対になっているいわゆる受け口の場合は

3歳頃に乳歯が全部生えそろった段階で上下の前歯6本ずつが反対にかみ合っていると将来的に骨の状態から反対になる場合がありますので、3，4歳ぐらいの時期からアプローチする必要があります。

まだ乳歯列の段階だと歯並びだけが反対になっているということも考えられますが、いずれにしても永久歯が生えてきたときにそれが治って正常に生えてくることが理想ですね。そのため受け口の場合は、乳歯列の段階で歯科医院に相談することをお勧めします。

では何故歯並びが悪くなったのでしょう？

よく耳にするのが、「うちは、お父さんが歯並びが悪いから。」虫歯にしても、「もともと虫歯になりやすい体質だから」と遺伝を理由にされる方がいらっしゃいます。

しかし、実は歯並びも虫歯も遺伝的要素はあまり関係ないといってもいいでしょう！

ご家庭での生活習慣からくる問題がほとんどだと言っても過言ではありません。

ここでは、最も注意しなくてはいけない「食育」と「体癖」についてお話ししたいと思います。

まずは、「正しい食生活について」です。

１．正しい姿勢で食事をしましょう。

足は床についていますか？足がついていないとしっかり噛めません。

２．食材を選びましょう。

よく噛むために繊維質を多くし、煮込みすぎない。（硬いものを食するというわけではありません）

３．食卓から水やお茶をなくしてください。

水分を取りながら食べると噛まずに流し込んでしまいます。

４．15分以上かけてリズミカルに噛みましょう。

早食いをしない。TVをみながらダラダラ食べない。

５．前歯でかぶりつきましょう。

切らずに出せるおかずはそのまま出しましょう。手でつかんで食べるもの（パン、おにぎりなどは必ず前歯を使うはずです）

顎を含む顔が成長するためには発育刺激が必要です。噛むことが発育刺激になります。正しく噛むことによって顔の骨に力が伝わり、その刺激で顔の骨が成長します。ですから、正しく噛むことがとても大切となります。

次に「悪い癖を直しましょう」です。

１．口をしっかり閉じましょう。

口が開いていると成長の方向が下向きになって、鼻の下が長い顔つきになってしまいます。その他口で呼吸する、口呼吸になってしまうと、歯並びだけでなく病気になりやすくなったり、さまざまな問題が出てくるので口を閉じることは体癖の中でも最も注意が必要だと思います。

２．頬づえや机でのうつ伏せ（下あごを押すような）癖はやめましょう。

頭の重さは約５㎏あります。頬づえで顔が曲がったり、歯並びが横にずれたり、うつ伏せで下あごが後ろに行ったりします。

３．唇を噛んだり、指しゃぶりなどの癖もやめましょう。

上唇を噛んでいると下あごが前に出たり、逆に下唇を噛んでいると出っ歯になったり、指しゃぶりをしていると上下の前歯がかみ合わなくなります。

４．舌の位置に注意しましょう。

口を閉じた時の舌の位置は、通常上あごのくぼんでいるところ（口蓋）にあります。舌の位置が低い位置にあると開口（上下の前歯が開いている）や受け口（反対咬合）になる場合があります。舌の位置は難しい問題ではありますが、通常口を閉じる習慣をつけることで舌の位置も正しくなることが多いです。

治療の本来の姿というのは、原因を考えて、あらためること。正しく成長することにより自らの力で自然に治ること。食事の環境を見直す、悪い習癖をやめるなど。

これが本来の治療だと考えます。

歯並びだけではありませんが何事も早期発見、早期治療が望ましいと思います。