こんにちは。中野区新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん コンデンタルクリニックスタッフの佐野です。
6月になり、あと少しで梅雨の時期ですね☔️
気温の変化も大きいので、体調管理には十分お気をつけください!
さて、今回は妊婦さん向けにお口のケアについてお話しいたします。
妊娠中は体も心も大きく変化する特別な時期ですよね。赤ちゃんの成長を喜びながらも、つわりや体のだるさ、情緒の変化など、毎日を過ごすのもひと苦労…という方も多いと思います。
そんな中で、意外と見落とされがちなのが「お口の健康」です。
実は妊娠中は、ホルモンバランスや生活リズムの変化により、お口の中のトラブルが起きやすくなることをご存知ですか?
今回は、
・妊婦さんにとって口腔ケアが難しくなる理由
・赤ちゃんの健康にもつながる「ママのお口の健康」
・妊娠中におすすめしたい口腔ケア方法
この3つに分けて、わかりやすくご紹介していきます!💡
【妊娠中、口腔ケアが難しくなる主な理由】
1.つわりで歯磨きが気持ち悪い
妊娠初期に多くの方が悩まされる「つわり」。においや味、口の中に何かを入れること自体が辛くなります。歯ブラシを口に入れた瞬間に吐き気が込み上げてくることも…。
そのため、「今日は無理…」とつい歯磨きを後回しにしてしまいがちになります。
2. ホルモンの影響で歯ぐきが炎症を起こしやすい
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが急激に増加します。この影響で歯ぐきの血流が増え、腫れやすく・出血しやすい状態になります。
この状態を「妊娠性歯肉炎」と呼び、妊婦さんの約半数が経験すると言われています。炎症があると歯磨き時に痛みを感じることもあり、さらにケアが遠のいてしまう…という悪循環になることも。
3. 体調の波で生活リズムが乱れがち
妊娠中は、疲れやすく眠気が強くなったり、食事の回数が増えたりと生活スタイルも変化します。気づけば「歯磨きせずに寝てしまった…」なんてこともありますよね。
また「甘いものが欲しくなる」「間食が増える」など、虫歯リスクが高まる要因も重なりやすくなります。
【赤ちゃんの健康にもつながる「ママのお口の健康」】
近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎を含む)が、赤ちゃんの健康に影響を与える可能性があることが明らかになっています。
具体的には、妊娠中に進行した歯周病が、以下のようなリスクを高めると言われています。
⚠️ 妊娠性歯肉炎が赤ちゃんに及ぼす影響
⚫︎早産のリスクが高まる
妊娠性歯肉炎が進行すると、炎症物質(サイトカインやプロスタグランジンなど)が体内に増加し、それが子宮に影響を与えることで陣痛が早まってしまう可能性があります。実際に、歯周病を放置した妊婦さんは、そうでない妊婦さんと比べて早産のリスクが約2~7倍になるという報告もあります。
⚫︎低体重児の出産
歯ぐきの炎症により体内に炎症性の物質が増えると、赤ちゃんへの栄養供給が妨げられ、出生体重が2,500g未満の「低体重児」になるリスクが高まります。低体重児は、出生後の免疫力や発達にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
⚫︎ 口腔内細菌が胎盤に影響する可能性も
最近の研究では、妊婦さんの口腔内細菌が血流に乗って胎盤に達し、胎盤の炎症や機能低下を引き起こすケースがあるとも指摘されています。これは胎児の発育不全やその他の合併症の引き金にもなりかねません。
妊娠中の体調が優れない中で、歯磨きや歯科医院受診まで気が回らないという方も多いと思います。しかし、「自分のため」だけでなく「赤ちゃんの未来のため」にも、お口のケアを大切にしていただきたいのです。
【妊婦さんでも無理なくできる口腔ケア】
ここでは、妊婦さんでも続けやすい口腔ケア方法をご紹介します。
1. タイミングを工夫して歯磨きをしましょう
体調が比較的安定している時間帯を選んで磨きましょう。たとえば、朝はつらいけど夜は楽という方は、夜に重点的にケアをするのも一つの方法です。また、洗面所以外にも歯ブラシを置いておくと、体調が良い時にササっと歯磨きが可能です。
食後すぐの歯磨きがつらい場合は、少し時間を空けてから(30分程度)磨くことで負担が軽くなります。
においや味で吐き気が出てしまう場合は、歯磨き粉なしでブラッシングするだけでも効果があります!
2. 小さめ・柔らかめの歯ブラシを選びましょう
ブラシのヘッドが小さく、毛がやわらかいタイプの歯ブラシを選ぶと、吐き気を感じにくくなります。また、刺激が強すぎないので、腫れた歯ぐきにもやさしく当てられます。
場合によっては、電動歯ブラシを使うと短時間で済み、磨き残しも減らせます。
当院では、ブラシのヘッドが小さいTepeコンパクトや、通常の歯ブラシでは届きにくい部分を掃除できるGVKスポットをオススメ、販売しています!
3. 歯みがきが無理な時は「うがい」でもOK
どうしても磨けないときは、フッ素入りのマウスウォッシュや水でのうがいでも構いません。口の中に食べ物の残りや酸が残る時間を減らすことが目的です。
ガム(キシリトール入り)を使って唾液の分泌を促すのも効果的ですよ。
4. 歯科医院での定期検診&クリーニング
妊娠中でも、安定期(妊娠5~7ヶ月頃)であれば、安心して歯科医院でのクリーニングや検診を受けられます。
歯石除去や歯周病のチェックなど、セルフケアだけでは防ぎきれない部分もサポートいたします。
最後に
妊娠中は本当に大変な時期ですよね。しかし、お母さんが口腔ケアをしっかり行うことは、赤ちゃんの健康を守る第一歩でもあるのです。
お口のケアは少しの工夫で無理なく続けられます。そして、歯科医院はそんなあなたの強い味方です。
不安なこと、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。