「顕微鏡検査のススメ」

こんにちは。中野区 新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん コンデンタルクリニック院長の今です。
さて、今回は「顕微鏡検査のススメ」というタイトルでブログを書かせていただきます。
これは、私が所属する国際歯周内科学研究会というところで出しているパンフレットのタイトルでもありますが、お口の中の菌の状態を顕微鏡を使って、確認してみましょう。というものです。

当院ではこの顕微鏡を使って口腔内細菌を確認して、悪い菌が特定できれば、積極的にお薬によって除菌をすすめるという治療法を15年以上行っています。
つい先日も、引っ越しをされる患者さんから、引っ越し先で顕微鏡を使っている歯科医院を紹介していただけませんか?という問い合わせがありました。また、衛生士の求人を出して、応募してきた方のほぼ100%の方が当院を選んだ理由として、顕微鏡を使った歯周病の治療に興味があって応募してきたということを伺います。
では実際に、顕微鏡を使った歯周病の治療というものが、どういうものなのか?をご紹介していきます。

1.当院では初診でいらした患者さんに、顕微鏡による菌の検査をお勧めしております。
2.左上の画像のように、歯周病菌やカビ菌が多くみられ、お口の中の所見でも歯ぐきの痛み、出血、腫れなどがある場合には、積極的にお薬による除菌をすすめます。
3.中央の写真でもわかるように3週間もすると歯ぐきの腫れもなくなり、痛くて磨けなかった状態から歯ブラシをすると気持ちがいい状態へと変わっていきます。
4.右側の円グラフは、1週間後の自覚症状の変化です。歯周病の自覚症状の強かった方ほど、1週間後の変化を大きく実感できます。
5.歯周病が改善した状態をキープすること。それは、歯磨きを頑張ることと定期健診にくること、そして定期的に顕微鏡のチェックを受けること。これが大切なことです。
 歯周内科治療という言葉は、炎症して悪い歯ぐきを切除して歯周病を直していく歯周外科治療に対する造語から来ています。
ただ、実際に歯周外科治療の手術をする際にも、ある程度炎症が収まってからでなはないと、手術はできません。
歯周病による炎症をいち早く取り除いていくには、お薬という選択もあると思います。ただそれには、本当に悪い菌がお口の中に存在するのかどうかというエビデンスが必要です。
それがわからず闇雲にお薬を処方するのは、危険です。そのために顕微鏡で確認する必要があると思います。
お口の中の菌の状態が落ち着いてくると、顕微鏡でも明らかに悪い菌がいなくなります。
その状態になると、今まで腫れた歯ぐきの下に隠れていた歯石が、歯ぐきの炎症が収まることによって浮き彫りに出てきます。

その歯石を取っていくので、あまり痛くなく歯石を取ることができます。また、腫れて悪い菌がお口の中に多くいる状態で歯石を取ると、痛いばかりではなく、敗血症といって悪い菌が体内に入っていくことで、全身的に様々な影響を及ぼすこともあります。
このように、当院ではお口の中の菌の状態をチェックして、必要であればお薬による治療を行ってから本格的な治療に移ります。
もちろん痛みがある方は応急処置で痛みを取ることも行いますが、まずはお口の中の菌の状態を改善して、歯周組織をよくしてから治療を行うことを心がけています。
歯周組織とは歯を支えている歯ぐきやその下の歯槽骨という骨のことです。家を建てる時もまずは土台の基礎工事が大切ですよね。
当院では顕微鏡を使って、お口の中の菌の状態を確認して、歯周病の治療やメンテナンスを受けていただくことをお勧めしています。